コトコト日記


マリちゃん(その3)

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伊勢外宮前料理店 cocotte山下 店主です。

マリちゃんとは、在職中は挨拶程度しかしなかったのに、退職してからは本当によく話した。

マリちゃんはいつも、言葉1つ選ぶのも出してはしまい、違うの探して出してはまた引っ込めて、自分の気持ちになるべく近い言葉で伝えようとして、いつもあらぬ方向に行き、しっくりこない様子だった。

そんなマリちゃんの話を聞きながら、彼女の選ぶ言葉と言葉の間にある真意を一緒に探していく作業は、私にとってはとても楽しいものだった。

だいたい、人は皆違うから、だいたい伝わればokという時も場合もあるし、この人にはココだけはわかってほしいという時もある。

わからないからこそ、思いやれるという事もあるし、わからないから功を奏す事もある。

私はその辺、話を言葉の連なりだけでなく、風景として伝えたいと思うところがあるので、なんか共感できた。

同じ言葉でも横に緑の森があるのと、忙しい朝のラッシュの風景があるのとでは、意味は違ったものになると思うのである。

マリちゃんの言葉を拾って、想像力を働かせ、確認しながら、できるだけマリちゃんの心の中を空気中に生み出す。共同作業のようで、話した後は、ちょっと疲れるくらいの楽しい時間だったし、自分も考えさせられた。

そんなマリちゃんと小川の結婚式作りはすんなりとは進まなかった。

もともとウェザインさんのウェディングは、自由度が高いのが魅力で、結婚する2人の意見がとても大切なのであるが、

when why where how が、???だったせいか少し時間が必要だった。

年が明けてお正月気分も抜けた頃、2人はウェザインさんに再訪した。

2人は丁寧なヒアリングを受け、ウェディングに対する価値観を共有し、ようやくウェディングのコンセプトが決まり、次の打ち合わせに向けて準備しなければならない案件を抱えて意気揚々と奈良に帰る前にcocotteに寄ってくれた。

そして嬉しいことに、2人は私にウェディングの料理を担当して欲しいと依頼してくれたのだ。

結婚式には呼んでもらえるかなぁ?ワクワク^ ^

くらいに考えていた私は、

最初ビックリしたけど、嬉しくてすぐに快諾した
のも束の間、その内容を見せてもらって私は何か嫌な予感がした。

その予感は、ただただ私の心の中だけの問題で、
”やる気が出ない” という、何とも申し訳ない大人げない感情だった。

全力を出し切れない=喜んでもらえない

そんな様子が頭にすぐに浮かんだ。

普通だったら言わないかもしれないけれど、私はそのままなんとかやりきる気になれなかった。

”ごめん。これ、悪いけど全くやる気にならんわ”

言ってしまった後、しまった!って思ったけどもう遅かった。

2人の顔は一瞬にして曇り、

しばらく無言になった。

そんな中、小川がまず口を開いた。

じゃあ、よりシェフがやりやすいやり方を探しましょう。

そしてすぐにウェザインさんに電話をして料理の部門を考え直したいと話してくれた。

そこからまず、会場探しが始まった。

”私が自由に使えて、うちのスタッフを連れて行って料理を作ってサービスできる会場”

ウェザインさんが探してくれるかもしれないけれど、私のワガママだからこちらも全力を尽くしたい。

あちこちに問い合わせて、知り合いに聞いてみたが、場所と厨房だけ貸してくれる大きな会場というのはなかなか無い事がわかってきて皆で途方に暮れた。

そんな中、スタッフの美穂ちゃんが自分の母校である相可高校に聞いてみてくれると言い出し、事態は一変した。

なんと!高校生レストランで有名な、まごの店を借りられる事になったのである。

つづく…

今日も長くなりました。

いつもありがとうございます!






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by ise-cocotte | 2016-10-12 00:13 | 日々のこと


小さな料理店店主の日記。
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