コトコト日記


するどいお客様。


 伊勢外宮前料理店 ココット山下 店主です。

 先日、電話の問い合わせで、

 するどい質問をするお客様がいた。

 最初に電話を受けた看板妹が、受け止めきれず、

 店主が代わった。

 “山下さんの一番自信のある料理って何ですか?”

 “これ!どうだ!!!っていう料理は何ですか?”

 と、聞かれた。

 ココット鍋を使う理由なんかも聞かれた。

 ちょっと困ったけれど、

 その時思いついたままをお話した。

 “わたしの料理は、これ!どうだ!とか、これで勝負!というものではないんです”

 “できれば、ホッとして、毎日食べたいなぁ。。。と、思ってもらえるのがいいんです”

 “だから、その時々でちょっとづつ違うし、お客様によってもちょっとづつ違うんです”

 と、言ったと思う。

 “ありがとうございます。また、行く時は予約します”

 と言われ、電話を切った。

 

 あの時思いつくままにお話ししたことは、

 本当に自分が目指している料理だなあ。。。と、思う。


 その方が、ココ山にその後来られたかどうかはわからないけれど、

 年末にいらした、あるお客様に言われた。

 その方々は、出張で度々伊勢に1週間ほど滞在されるそうで、

 1週間外食が続くと、胃が疲れてくるそうだ。

 そんな中、

 ココ山にたまたま来てくれて、

 “やさしい味で、疲れた胃がホッとした”

 と、言ってくださった。

 そして、

 年始の出張の際も、また来て下さった。

 これなんですよね!

 ホッとして、また来たくなる。

 そんな店を目指しています。


 また、別の日。

 夜に、一人でいらっしゃった男性。

 すぐに同業者だとわかったけれど、気付かぬふりをしていた。

 ワインの事や、料理や、店の事。

 いろいろ聞かれた。

 そのうちに、彼自身の話も聞けた。

 東京からきたその方は、もうすぐシェフとして新しい店に移る前だそうで、

 いろいろ考えるところも多そうな感じ。

 “自分の店ってどうですか?”

 “出し切れてますか?”

 と、聞かれた。

 “わたしは、店を持って、シェフというより、店主というのがしっくりきます”

 と、答えた。

 それに対して、彼は、

 “逃げではなく?”

 と、聞き返してきた。

 “はい”

 と、答えた。

 彼は、料理人だから、

 “料理に全力を出し切ること” が、彼の心臓。

 わたしは、店主だから、

 “店に全力を出し切ること” が、わたしの心臓。

 あー。

 わたし、ちょっと変わったな。

 と、思った。

 でも、いやな変わり方じゃない。

 変わって行くのも悪くない。

 一つづつ、薄い壁も、分厚い壁も、

 避けたり、乗り越えたり、うち破ったり、前で泣いてみたり、、、

 少しづつ前に進んでいるんだなぁ。。。


 するどいお客様のおかげで、

 いろいろ気付けるなぁ。。。


 今日もありがとうございます。


 
 
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by ise-cocotte | 2012-01-17 15:05 | 日々のこと


小さな料理店店主の日記。
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